つい先日、ある紳士が当店の書棚をじぃっと見ているんです。
手にとっていらした本はこちらです↑。
同じ日の夕方に同じ紳士がまたお見えになって、実はこの本を長い事探していたとおっしゃるのです。
お話を伺うと、その方は『鎌倉アカデミアを伝える会』資料収集担当の方でした。
神田の古本街へ行ってもどこにも見つからず、もはや伝説の本だともおっしゃるのです。
今から64年前、材木座の光明寺の場所に鎌倉アカデミアという大学がありました。
当時の講師の中に、この本の作者である高見順がいて、まさにその鎌倉アカデミアでの出来事が書かれているのが、この『神聖受胎』だと教えていただきました。貴重な貴重な資料なのだそうです。
『ある意味奇跡です』とその紳士はおっしゃいました。
この本が何故、当店にあるのか・・・長くなるので、それはまたの機会にするとして。
『神聖受胎』の装丁素敵だと思いませんか?
高見順と親交のあった花森安治というグラフィックデザイナーの作品です。
終戦の二年後に発行された本。藁半紙のような紙に印刷されています。物の無い時代だったのですね。
1950年代後半から60年代の暮らしの手帳、神聖受胎と同じ花森安治デザインの装丁です。
古いものですが、今も役立つようなアイデアがいっぱい。
アラジンのストーブ。ファンヒーターと違って埃も立たず、室内がじんわり温まります。
当時の暮らしの手帳の検証によると、安全性、利便性共に最も優れたストーブとされています。
※古い暮らしの手帳は店内でご覧いただけます。